4月…

年度も変わり、新入社員が入って来たりと、何かと慌ただしい毎日となった。

毎年々々同じことの繰り返し…

でも、今年の俺は違った。

『慎吾〜!ねぇ、慎吾ってばあ!』

俺の隣にはひとみがいた。

あの夜…

ひとみが号泣したあの夜、

酔った勢いとはいえ、

俺とひとみは体を重ねた…

ひとみの中にいる向井の存在を消したくて…

もうそれだけしか頭になくて…

さすがに翌日は、ふたりとも激しい二日酔いに襲われたけど、

ひとみの吹っ切れたような笑顔を見ることができた。

「ちょっと待ってろ!もうすぐ着くから…」

あの日からの俺達の関係…

何だろう?

お互い好きという言葉も出ず、

付き合おうとも言ってないし…

何故か側にはひとみがいる…

これって、どんな関係なんだ?