数分後には、私の涙は枯れていた。


「さてと、そろそろお仕事を…。」



そう言ったお姉様と同時に、私も立ち上がろうとした。けど、



「お姉様?」



「どうしたの?フィー。」



私は、目の前が真っ暗になる思いだった。



「足が、足が動きません。感覚がないんです。」



震える私の声に、お姉様さえ一瞬凍りついた。



「まさか…。」



駆け寄ると、私の足元に手をかざした。



「…!?」



「あの?一体…。」



「精霊回路が…ない…。」



精霊力を体内で巡回させる、いわば第二の血管のようなもの。途中で切れたなら、そこから漏れて最悪修復できずに死ぬ。が、そもそもないとはどう言う事だろうか。



「で、でも?上半身は動きますよ…。」



そう言って手のひらをグーパーすると、腕にも手をかざした。



「腕は、何ともないわ…ん?股関節の上あたりで、不自然に流れが変わって…もう一つの股関節の上に繋がっている…。」



つまり、精霊回路が消えた部分が動かないというこだろうか。



「こんな症状で生きていられるのも不思議なものよ。国家機密事項にもないはず…あくまで私の推測だけどけど、水神様が体内にいるせいね。その代償以外、私は思いつかないわ。どんな些細なことでもいい、心当たりはあるかしら?」



水神様が、私の精霊力を回路ごと持って行ってるってことか。心当たり…。















「異能力者としての寿命は、最低1年。もって2年と考えてください。その先は、半年持てば奇跡です。」