「雪?…そうか……。じゃあそろそろ、こっちもケリをつけよう。」



ヒラヒラと降る雪を見て、シラクスが言った。



「そっちの王妃サン、やられちまったなぁ。」



パンッ!



そんなことも気にしないライアンの戦い方は銃撃戦。ゲキは全弾強力な乱射の中で一撃を与えに行く戦法だが、彼は全く真逆。



幻影術式と組み合わせた正確無比な射撃で、確実に一撃を当てていく。乱射しても、本命にした弾はそうそう外さない──人外でもない限り。



「(ちっ、最初を除いて打った本命弾は全部で21発。かすった弾が4発。ずらされたとは言え当たったのは6発。急所は全部かわされた。)」



少し焦る中、彼は耳を疑い目を細めた。



「予定通りというべきだね。ここまでは。」



「てめえの愛した奴が、死ぬことさえも?」



誰かの死を軽々と受け入れる様子に彼は、強い嫌悪感を覚えた。



「まあ?生きている者はいずれ皆死ぬ。それに、革命に犠牲は付き物だ。」



やはり悪魔は悪魔。人の、世界の敵だ。そう思った。そして、



「革命?」



引き金を引こうとした手を一旦止めた。



「ああ。私たち悪魔が、もう苦しまない世界をね。」