〈奏Side〉



「私たちの最初のクリスマス…中学2年生のときのクリスマスは本当に突然お父さんに会食に連れて行かれたの」





『奏。今日は会食だ。着替えて来なさい』



私は昨日の夜から決めていたデートの服を着たばかりだったのに、そう言われた



『お父さん、私は今日千尋とデートなの』



そう言えば、お父さんは苦い顔をした




『あの野蛮な餓鬼か』




お父さんは千尋のことを極度に嫌っていた



そして何度も言うんだ




『お前にあいつは似合わない。奏はもっと素敵な男と結婚するんだ』




と。




「あの時、始めて反抗したの。でも、ダメだった」




『嫌、私は自分で幸せを決める。お父さんにどうこう言われる筋合いはない』



そう言ったけど、お父さんは私の携帯を没収して私を無理やり会食に連れて行った