「琉衣、ちょっと聞いてよー」

朝の読書を満喫中の私の元に、クラスメートの三森が駆け寄ってきた。

彼女がこんなに朝早く登校するなんて珍しい。

「おはよー。どしたの?」

軽く挨拶を済ませると、彼女はまだ人が来ていない前の席へと座った。

「それがね、昨日めっちゃ恐い夢見ちゃって」

「……恐い夢?」

「そう!琉衣の彼氏ってさぁ、霊感あるんでしょ?」

あぁ、そっち系の話か。と私は即座に彼女の言いたいことを理解した。

どこから広まったのか、私の彼氏に霊感があるという事が周りに知られているらしい。

「あるみたいだけど、何か変な事でも起きたの?」

「まだ何も起きてないけど、何かありそうで……ねぇ、彼氏に聞いてみてくれない?」

そう不安気に言う三森。

よほど恐い夢を見たのか、いつもの元気が無い。

さすがに心配になった私は、学校が終わったら相談してみると約束した。