そして、一年近くが経った。




「福也君は、一体どこに行ってしまったのかな……」


私は、最後に福也君の姿を見たあの公園で、広汰おにいちゃんに言った。


「さあ…。
僕もわからない」


広汰おにいちゃんは首を傾げる。


広汰おにいちゃんは、この子どもだけの世界ができたときから、私達を大人達から救い出してくれたときから、まったく変わらない。

あのときから四年も経つのに、ずっと同じ年齢の見た目だ。

髪も伸びないし、身長も大きくならない。


不思議な、男の子。


いつの間にか、見た目だけでは私のほうが年上になってしまったように思える。

それでも、出会ったときは私のほうが年下だったので、私はずっと彼のことを「広汰おにいちゃん」と呼び続けている。