ある日のこと。

あたしは、ある違和感に気がついた。


最近、なんだか暇すぎる。


落ち着いて本を読めるようになったし、一人でゆっくりといられる時間が増えた。

いや、静かにゆっくりと本が読めるのは嬉しいし、一人でリラックスできることもありがたい。


だけど、少し前のあたしは、もっと忙しかったような気がする。

何だろう。
何が、違うんだろう。

少し前のあたしと、今のあたし。


一体、何が……………。


そんなことを考えながら、廊下を歩いていたとき。


「姫だ、可愛いよな~」

「うんうん」

「なんていうか、姫って彼女にしたいとかっていうより、見ていて幸せっていうか~」

「そうそう。告白する対象じゃないよなあ」


というあたしのファンらしき男子達の会話が聞こえてきた。