要は、私はあの不良教師と普段全く接点などはないわけで、


だからこそ、なぜこんな不可解な出来事が起きたのか、余計に謎なのだ。



「生田、この間の進路希望調査の事なんだけど…」



「はい。それが何か?」



「あー…いや、うん。生田の学力なら今からでも間に合うレベルだとは思うんだ。

だけど、正直かなりギリギリだとは思う。この夏が気張り所だぞ」



「はい。頑張ります」



そう言って軽く頭を下げると、私は早々にその場を離れようと試みる。


だけど峰山先生は、それを制止するように話を続けた。


「生田。頑張ってるのは分かってるんだ。だけど、生田は少し頑張り過ぎる所があるから心配してる。

何も今からランクを上げる必要はなかったんじゃないか?生田のレベルなら、余裕をもってもレベルの高い所に行けるだろ?」



あぁ。


やっぱりその事か。


私は、心の中で小さく溜息をついた。



「それとも、何かその大学でやりたい事でも…」