宿舎も決まったことで俺達は働く場所を探すことにした。手始めに宿舎の一回にある雑誌置き場で求人雑誌を取ってきた。

魔力道具や機械の開発が盛んなヤサマ王国では工場関係の求人が沢山あり、とても待遇も良く人気の仕事である。特にヤサマの首都ニーミは破格の待遇の仕事ばかりで悩む。

この世界の貨幣は『ペラ』と呼ばれ、1ペラ=1円でとても分かりやすい。

ここニーミの工場の仕事は1日8時間労働で日給1万ペラ以上の仕事ばかりで、更に仕事終わりにビールを一本貰えるとか、食堂で夕食無料とか色々な待遇がある。

しかし、求人情報を見る限りヤサマ王国は凄く景気が良い。そのためかブラックな求人なんて全く見かけない。全てがホワイト求人だ。

・・・が、しかし海里はどうも何かが言いたい様である。

「どうした?」

「アンタさ、工場ってホワイトな職場だと思っているでしょ?」

「おう。同じ事をずっとやるだけだし楽チンですやん。しかもこの日当は破格だぞ。この手の仕事は大抵は7000~8000くらいだぞ。特に新入りはな。」

「まぁいいわ。だけどアンタが思っいる以上工場はキツイわよ。」

そう言って海里は宿舎の外に出て町を探索に行った。