水色に彩られた爽やかな空に
ゆっくりと飛行機雲が線を描く。

窓際の席に座り、机に肘をついて見上げていると、心地いい風がカーテンと同じように髪の毛を優しく揺らした。

寝そう…

「転校生を紹介するぞー」

大きなあくびをしながら、景色に目を細めていると、先生が入ってきた。

「土谷 翔吾です。
小6まで、こっちに住んでました。知ってたら声かけてくださいっっ」


__…ん?”翔吾”?” 小6?”

耳に入ってきたのは”これだけ”なのに、”これだけ”で勢いよく席を立っていた。

「え?! 翔吾?!」

さっきまで、ぼんやりとしていたのが嘘かのように、はっきりとした口調で言っていた。