メールの着信も、電話も、ずっと聞こえないふりをしていた。

_______♪

2日間、ずっと寝込んでいた俺を"女々しいよ"とバカにするかのように明るいメロディーが部屋に鳴り響いた。

ベッドから飛び起きて
表示されている名前を見た瞬間、座り込んだ。


♪【稲本 未晴】♪

ずっとずっと待ってた。

かける勇気も、なくて

かかってくることも、なかった。

枯れたと思っていた涙は

まだまだ溢れてきて

好きな想いも止まらなかった。

電話が切れた瞬間、画面に表示されたのは、メールと着信の数。


翔吾、変に思ったかな……

思ってない、わけないよな……

二人のことを知った次の日から、学校に行けずにいる。

このままじゃダメなのは分かってるのに……

ぽた、ぽた、と涙が床に落ちた。