「彼氏がー最近束縛ひどくてさー、まじひくんだけど。」

「それな!」

「わかるわぁ。」

「アズサは?」

「ん〜、どーだろう?」

「アズサの彼氏は束縛しなさそうだよねー。」

「それー!ちょーイケメンだし、優しいし、幼馴染とかまじうらやましいんだけどー!」

束縛、ね…。

きっと、彼女たちはこんなことをいいながら幸せなのだろう。

わたしは彼女たちの下品な笑い声を聞きながら赤く染まった空を眺めていた。

暦の上では、夏だというのに秋の姿が忍び足で近づいてくる。

わたしはなにも変われないまま時の流れに身を投じる。

彼女たちは気づいてないのだろうか。

こうしている間にも空は夜の顔へと姿を変えていっているのに。