それから数分後。
ミルクを飲み終わった卯月をゲップさせて
寝かしつけていると先生が帰ってきた。

「あ、お帰りなさい」

「悪い。不動産屋で色々話し込んでいたら
遅くなってしまった」

不動産屋……?

「何でまた、そこに?」

誰かの部屋でも探しているのだろうか。

すると先生は、ガサッと持っていた資料らしき
封筒をテーブルに広げ出した。

これは、いくつかの一軒家の間取り図だった。

「実は、引っ越しを考えているんだ。
2人なら十分だが、この部屋だと狭くなるしな。
卯月も産まれたことだし」

確かにそうだが……。
この高級マンションは、広い3LDKになっていて
私と先生で1部屋ずつ。
そして睦月君が1部屋を使っている。

卯月が大きくなると部屋がもう1つ
欲しいところだけど……。

「それなら、大きくなる頃に私の部屋を
1つ空けましょうか?
そうすれば、卯月も使えますし」

「だとしたらその後……お前は、どうする気だ?
俺の部屋にでも来る気か?」