「はあ、はあ はあ、、、 

はあぁぁぁ。。。。。」

「足を止めるな。歩け。」


「ちょっと、、ちょっと、休ませて。。」

「まだいくらも歩いてないぞ。」

「だって、、、」


ふうう、、、、


あたしたちは緑の濃い山の中に居た。

一花さんに連れられて来たのは地元の山だった。


小さい頃から山の麓で遊んでいたことはあったけど、こんなに奥まで入ってきたことは、そういえばなかった気がする。

昼間なのに、緑が濃くうっそうとしていて、暗い。


「少し飲んでおけ。」

へたり込んだあたしに一花さんが差し出してくれたのはミネラルウォーターだった。

こくり、と一口飲む。

「ふう。。。  どうしてこの山に?」

「、、行けばわかる。さあ、行くぞ。」

またひきつりそうな顔を何とかなだめつつ、
よろよろと立ち上がった。
もう少し、優しくてもいいのになぁ。。

毎日の運動量がぐっと落ちてる大学生のあたしには突然の山歩きはきつかった。
しかも靴はもちろん登山用じゃないから、
足も痛くなってきていた。

ああ、、この間買ったばっかりの靴が。。
ぐっと涙を飲みこむ。

視線の先で一花さんが涼しい眼差しを向けてくる。


う、、、なんだかわかんないけど、、


負けないっ!

変な闘志を燃やしつつ、必死に足を前に進める。