「課長ぉ~、オオカミ課長~~」

 恒例の朝のランニング。

 大神が水呑場のベンチで休んでいると、赤野燈子が手を振りながら駆けてきた。

 

「なんだお前、随分と久しぶりじゃねえか。まだやってたんだな」

「失礼な、
これでも4回…いや、3回くらいは続けてます!」

「嘘つけ。俺は毎日来ているが…お前に会ったのはこれで2回目だ。
 それに、それは“続けている”とは言えないな」

「うぐっ、手厳しい……
あ、でも。
見てくださいよ、ホラホラ」

 呆れている大神に、燈子は嬉々としてウエストポーチから大きな包みを取り出して見せた。

「じゃーん!オニギリ」

「……」

「前に課長が、自分で考えて作れって言ってたでしょ。コレが結構効果あって…課長?」