ケータイ小説 野いちご

ラブゲーム

初デートで……

 という事で、メイドさんが出してくれたホットコーヒーを飲みながら、桜井夫妻と世間話などしていたが、はっきり言って、退屈してしまった。

 そんな俺の気持ちを察してかは判らないが、

「せっかくのお天気なんだから、あなた達は出掛けたら?」

 と、お母さんが言ってくれた。そして、

「ドライブなんてどうかしら。素敵な青いお車で」

 と、目をパチパチさせて言った。

 おお、それはいいな、と思ったが、なんでお母さんは俺の愛車が青だって事、知ってるんだろうか? 窓から駐車場は見えなかったはずなのだが。

「モニターを見るのはやめなさい。はしたない」

「だって、退屈なんだもの……」

 俺は、今の桜井夫妻の会話がよくわからず、首をひねっていたら、

「防犯カメラのモニターよ。母はそれを見るのが趣味なの」

 と、ふゆみが俺の耳元に口を寄せ、小声で教えてくれた。

 変わった趣味だなと思ったが、映画か何かで見た、沢山のモニターが並んだ光景を思い描けば、意外に面白いかも、と思った。それを仕事にしてる人もいるわけだし。

 ま、それは置いといて、お返しという事ではないが、俺もふゆみの耳元に口を寄せた。そして、

「ドライブがてら、俺んちに来る?」

 と囁いたら、ふゆみの顔は、見る見る赤く染まっていった。

 そんな俺たちに、お母さんはニッコリと微笑み、お父さんは……嫌そうな顔をしていた。

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