sideカズマ



朝の教室は、かなりウザい。



となりの席の女が、毎日朝っぱらから喋りまくる。



たまに俺にも話を振ってくるけど、机に突っ伏し寝たふりで完全スルー。



今日は、女友達に話してるみたいだ。



「今朝、面白いもの見ちゃった」



「えー、なに?」



「1組の宇佐美さん…」



え、ゆめがどうしたって?



思わず、聞き耳を立ててしまう。



「紫藤くんと一緒に歩いてた」



マジかよ…。



あれだけ忠告したのに?



呆れていると、隣の席の女が喋り続ける。



「紫藤くんって、女の子ならほんっと誰でもいいよね。付き合う子に一貫性ないし。今度は、宇佐美さんいっちゃう?」



「全然接点ないじゃんね。宇佐美さんか~…かわいいけど、なんか違うよね」



だよな、俺もそう思う。



完全に紫藤の気まぐれ。



「それに宇佐美さんって、ちょっと頭弱いらしー。おまじないが好きって言ってるらしいよ」



「へー、おまじない…」