「今日は、楽しかった。ありがとう」


「いやいや!俺こそ楽しかった!ありがと」


「じゃ、また学校で」


「あ…一人で大丈夫か?」


「うん。バス乗ってすぐだから」


「じゃ、気を付けろよ」


「またね」



小さく彼に手を振れば、
彼は大きなその手で手を振り返してくれた。


朝待ち合わせた何の特徴もない駅前だけど、
今は掛け替えのない景色に見える。



このまま結婚が出来れば、
私はこの輪廻転生というループから抜けられる。



大丈夫。

この時代は人々が大昔から望んでいた平和な時代なのだから。