社会人歴約二年と、だいぶ社会にも慣れてきた今日この頃。 「慶太、ほら早く入るよ?」 俺の心臓はこれまでの人生で一番うるさいくらいに鳴っている。 「ちょ、音羽タイム、むりむり俺死んじゃう」 「は?何言ってんの、別に初対面じゃないんだから…」 いやいや、初対面だから、主に御兄様方が。 「ただいまー」 音羽の声と共に奥から聞こえてくるドタドタという足音。 あぁ、俺、死ぬな。