十年前、当時小学3年生だった私
その日は9歳の誕生日で雨が降っていた。
せっかくの誕生日なのに風邪をひいてしまった
「こんな天気だし、麗は風邪ひいてるしどこも行けないわね」
「嫌だ、麗ケーキ食べたい」
「麗、風邪が治ってからケーキ食べに行きましょう」
「ケーキ食べたい」
「よしじゃあ買ってくるか。可愛い麗のためだ。でっかいいちごがのったケーキ買ってくるからな」
「しょうがないわね。ただし麗はお留守便よ」
「うん。わかった」
私は三人でケーキを食べるのを楽しみにしていた。けれど、帰ってきたのはつめたくなった両親と潰れたでっかいいちごがのったケーキだった
家に帰る途中事故に巻き込まれたのだ
あの時私がわがままをいわなかったら二人はしぬことなんてなかった。
大切な人の命を奪ったのは私だ

「麗、なにぼーっとしてるの、食べないと片付かないじゃない」
「お父さんお母さんごめんなさい」
「どうしたんだ」
(そうよどうしたのよ急に)
(だってあの時わたしがケーキ食べたいなんて言ってなかったら、二人はまだ生きていたのに)
私のわがままのせいで
(あんたまだそんなこと言ってるのあれはただの事故よ。麗が責任感じることなんてないのよ)
(そうだぞ、麗は何も悪くない。お父さんは、こんな形だが麗が大人になった姿を目の前で見れて嬉しいぞ)
(てか、そんな話より自分自身の心配しなさい。ここどこかわかっているの?)
謝ることで頭がいっぱいですっかり忘れてた
(その様子じゃ忘れていたみたいね。まぁれいらしいけど。ここは簡単に言えば死んだ人が来る世界よ)
えっ。
(ちょっと待って今なんて言った)
(だから、ここは
『死んだ人が来る世界』よ)
(じゃあ私死んだの?)
(まぁまぁ落ち着け)
(落ち着いていられるわけ無いでしょ