《咲誇side》





暖かな風が吹いている。


目を開くと、そこは一面の花畑だった。


遠くに、女の人と女の子が立っているのが見える。



『お母さん、ここはどこ?』


『ここは、お母さんの一番好きな所よ』


『そうなんだ!! きれいだねぇ』



無邪気にはしゃぐ女の子を見て、女の人は幸せそうに微笑み、隣に屈んだ。



『この花は何かわかる?』


『えーっと……そうだ、れんげそう!!』


『あたり』



ふわりと優しく女の人は微笑む。



『蓮華草の花言葉は、【あなたは私の苦痛を和らげる】……』


『……? どういうこと?』



少し悲しそうな目をした女の人に、女の子が尋ねる。


女の人は微笑んで、女の子を抱きしめた。




『ごめんね……さきちゃん…』




どうして、そんなに悲しそうなの…?


ごめんねって、何が……?







――...お母さん…...