お母さんは。

毎日泣いていた。




「やめて!麻衣には手を出さないで!」



私の本当のお父さんの顔はもうハッキリと思い出せない。


思い出せるのは、お母さんがいつも泣いていて。


「お前“お母さん”だろ?子供泣かせんなよ」

「ごめんなさい、ごめんなさい!」



殴って殴って。

ボロボロだったお母さんを救ったのが。


今のお父さんだと聞かされている。


保育園に私を預け、働いていたお母さん。

スーパーの店員とお客さんという関係。

お父さんは弁護士で。

お母さんが暴力を受けている事を聞き、守ってあげたい気持ちが生まれた、と聞かされている。


大変だったらしい、離婚協議の内容は、私は知らないけど、雄大は知っていた。


離婚はしたけど、怖がるお母さん。
本当のお父さんから逃げる様に引っ越しをして
、雄大の家に住む事になった。