「う~む、何度見ても奇妙な絵じゃ」

 しげしげと、目の前に広げられた屏風を見ながら、殿様は首を傾げた。
 み月かかって、朝芳は屏風絵を完成させた。

 屏風絵、という依頼はしていなかったが、さぞ立派なものになったのであろうと、うきうきと見に行った殿様は、その絵を目にした途端に腰を抜かした。

 大きな屏風には、どんと大きな骸骨が。
 驚く殿様に、朝芳は隅のほうを、ちょい、と指した。

「あ、ああ。これが綾姫か」

 確かに隅には、美しい女子が一人描かれている。
 だが全体の三分の一程度だ。
 三分の二は骸骨が占めている。