「仕事の話があるから、朝飯食ったら広間に来いよ」


それだけ言い残して、アスタさんは行ってしまった。


謝りもしなかったな……まあいつものことだから別にいいけど。


そんなことを思いながら私はキッチンへ向かう。


アスタさんの先ほどの言葉からすると、きっとまたいつも通り、みんな先に食べてしまっているのだろう。


16歳の女の子を放って知らんふりするなんて……なんて酷いやつらだ。


予想していたように、キッチンは静かだった。


だけどそこにはいつもにはない光景があった。