「どうぞ」 聞きなれた声が聞こえ、ドアノブをひねり、中へと入った。 室内は茶色と黒色を基調とした落ち着いた雰囲気が漂っていた。 ・・・まったく、昔からこういうセンスだけはいいんだから。 机の上にある理事長と刻まれた隣にある”九條玲”という名前を見ながら一つ、ため息をこぼした。 まさか本当に理事長を務めているなんて。 連絡が来たときは疑ったけれど、この字を見ても全然実感わいてこないや。