☆里沙side☆






「俺を見つけるって…?
へぇ…面白いこと言うじゃん、あの子も。

久我山美海さん……?」






リサの目の前で、ニタニタ気味悪い笑みを浮かべるアイツ。

リサが下から見ているのを知ると、アイツはリサの顎をクイッと上に持ち上げた。

…こんな奴に顎クイされても、ときめきなんて感じない。

感じるのは、底知れぬ恐怖だけ。






「良い加減教えてよ。
アイツが、佐山妙子が、あの子をいじめる理由を」

「……」

「何?
こんなにボロボロになっても、何も言わないつもり?」




無理矢理顎を持たれ、上を向かされる。

喉がしまって、思わず咳が出た。




「良い加減全部話しちゃってよ。
それとも、俺に隠し事出来るのかな?りーちゃんは」

「その呼び方…やめてよ!」




顎を持ち上げる手をバシッと叩くと、バシッと頬を叩かれた。

リサは再び、裏庭に倒れこんだ。