ついに勝負の日がきた。

勝負は閉店後からなので、嵐は今はカジノにいる。

しかし、嵐はカジノではまだ勝負をしていない。

現実世界では一度もカジノで勝負をしたことなかったので、どういうところかチェックしているのだ。



見たところ嵐にも出来そうなのはトランプを使ったポーカーぐらいか。


カジノでやるギャンブルは殆どやったことが無い為、嵐は消極的に動く。


まずは客層を見たりして、どのような客が来るのかチェック。


見た感じだと、やはりカジノは競馬・パチンコ・チンチロとは違って富裕層が多い。


恐らく、この国の政治家・官僚・企業の社長などが来るのだろう。


そして、カジノを運営しているのが、この国を裏から支配している『何者か』なのだろう。



ディーラーを見る限り普通の人に見えるが油断は禁物。


大金を動かす企業というのは下っ端は普通の人間でもお偉いさん、役員などになると腐った連中・狂った考えをする人間が必ずいる。


組織というのは大抵闇がある。

そして、その闇は組織がデカければデカいほど闇が深い。





そして、ギャンブル等を営むパチンコ屋、毎日何億という大金が動く大手銀行等は更に酷いのである。


少し、話が逸れてしまったが、嵐はそういった連中がいるかどうかもチェックしているのだ。



(太ったオッサンばかりだな…。)

心の中で嵐はカジノにいる客のイメージをいう。

太ったオッサンばかりなのは恐らく旨い食べ物をたらふく食べているからだろう。



そして、客はみんなスーツを着て来ている。

ラフな格好をしているのは嵐だけである。


そして客は嵐を軽蔑の眼差しで見る、

恐らく、嵐の服装を見て、金を持っていない貧乏人と思ったのだろう。



(クソウゼェ奴らだな…!)

嵐は軽蔑の眼差しで見てくる客を睨み付けて威嚇する。


客は嵐の目を見て怖く感じたのか、すぐに目をそらし、嵐から見えない場所に移った。



(フンッ…。勝負に生きていない雑魚がっ…!)

嵐は心中で毒付く。


嵐から見たら真面目に働いている者や、集団で群れている人間が馬鹿に見えるのだ。


例えギャンブルに弱くても、勝負をしようとする者は嵐は好きだ。

だが、ギャンブルなんて安定しないからと言って勝負しない人間は嫌いだ。


つまり勝負していない人間が嫌いなわけである。


カジノ内を一周して見て回り、見るべきところは全て見て、一旦帰ることにした。