「今初めてその事実を聞きました」

そう答えたあたしに、
「お前ら、双子とは言え兄妹なんだろう？

最後に朝貴と会話をしたのはいつなんだ？」

藤本さんが聞いてきた。

「えっ、兄貴と最後の会話ですか？」

あたしはそれがいつの出来事だったのかと考えた。

えーっと…あれは確か、
「今年の３月の終わりくらい、ですかね？

兄貴から電話があったんです」

確か、その日はバイトが休みでテレビを見ていた時に兄貴から電話があった…はずだ。

そんな古い出来事なんて、もうとっくの昔に忘れているっつーの。

心の中で毒づいたあたしに、
「朝貴と何の話をしたんだ？

その時の状況を覚えてるか？

例えば、元気がなかったとか」

藤本さんが聞いてきた。