運命の翌日を迎えた。

「ふわ~あ…」

いつものように『ラグタイム』へ向かっているが、あたしの気は重い以外の何ものでもなかった。

昨日は全く眠ることができなかった。

兄貴のことが心配だったからだ。

翼が持ってきた雑誌で兄貴と静絵さんと言う人が月明島と言うところにいたと言うことがわかった。

その写真から行方がわかったのか、彼らを確保したと言う連絡があった。

そして今日、『ラグタイム』に兄貴と静絵さんを連れてきて事情聴取を行うと言う訳である。

「兄貴、どうなるんだろう…?」

藤本さんは考えたいと言っていたけど、駆け落ちの理由によってはクビになってしまうかも知れない。

そう思うと気が気じゃなくて、眠ることができなかった。