始業式から五日後。

始業式で倒れたヒロくんも部活に復帰。そして私も本気マネージャーモードにも疲れて、普段のダメマネージャーに戻り、何もかもが元通りになった。


「今日の高田っちの格好笑えるよな。
サングラスにピチピチTって。
俺、笑いこらえるの必死だったよ」

「ね。ウケ狙いとしか思えないよね。
でもさ、あの人体育の授業の時は絶対ピチピチTでこないんだよ。普通の格好でくるもん」


たわいもないことを話しながら、にっしーと自転車をこぎながら、家に帰る。


一緒に帰るっていっても、にっしーの家は学校から10分もかからない距離にあるのに対して、私の家は学校から遠くて30分もかかる。

しかも、方向も違うから5分くらいしか一緒に帰れないんだけど......。


「へー、なんかこだわりがあるんかな。
あ、そうだ!先生がうちの高校の卒業生って知ってた?」

「うそ!知らなかった!」


にっしー、話があるから一緒に帰りたいとか言ってたけど、全然話を切り出してくる気配もない。

まさか、高田先生の話がしたかったわけでもないだろうし。


......でも、まあ楽しいからいっか、とあまり深く考えずに話に夢中になって自転車をこぐ。