【杏菜side】



あの日、あたしを助けてくれたキレイな金髪の優しい先輩。


なのに………


これがまたとんでもない不良でした。



休み時間、珀疾さんが来たらすぐ分かる。


「きゃあっ‼︎瀧澤さんよ〜♪」

「や〜ん♪今日もカッコイイ‼︎」

「1度でいいから相手してくれないかな〜‼︎」


クラスの女子の皆さんから黄色い歓声が上がるから。


それくらい珀疾さんは人気者。



「杏菜」

「はーい」


素直に教室から出ると、くしゃっと髪を撫でられる。


これが、なかなか嬉しくて…くすぐったくて。


「美術室行く」

「サボリ教室ですか。和泉さんもいるんですよね?」

「和泉?出て行かせたけど」

「ええっ⁉︎」


ごめんなさい、和泉さん……。


反論しようにも、あたし付き合って知った事があるの。


珀疾さんって案外………



俺様のドSです。


とにかく、意地悪でイジメるの大好きなヤツです。