「じゃあ、乾燥機にかけておくから。乾くまでこれ着てて?」
保健室で、養護の先生から予備の体操服を借りる。
「ありがとうございます」と言って、私はそれに着替えた。
びしょ濡れの体操服を先生に渡すと、「あらまぁ」と面白そうに笑われた。
「ほんとにビッショリじゃないの。可哀想に。寒かったでしょう」
「あ、えと....あはは」
寒かったですね、ハイ。
今はそれほどじゃないんだけど、なんだか心もとなくて、予備の体操服の上から汐見先輩に借りた上着を着た。
安心するなぁ、このブカブカ感と、先輩の匂い。
あっやばい。ちょっと変態みたいだったかな。大丈夫か私?
少し自分が心配になったけど、気にせず先輩の上着で暖をとる。
すると、私の様子を見た先生が、くすりと笑った。
「それ、彼氏から借りたの?」
「えっ」
か、彼氏!?
私はびっくりして、慌てて否定した。