『速報です。
つい先程、東京都渋谷交差点の信号にトラックが追突し、多数の死傷者が出た模様です。
現場から****がお伝えしました。』

「いやあねえ、物騒な世の中だわ」

そんな母の声でうとうとしていた私は目覚めた。

呑気に珈琲を飲んでニュースを眺めている母に目を向ける。

「愛美は気を付けるのよ~???」

「ん~…」

「もうっ、話聞いてるの!?
私はお風呂入って来るわ」

かなりな歳の筈なのに、肌は綺麗で顔立ちも良い。

そうしてマイペースな性格を持ち合わせていて、クラスメイトからはそんな母が羨ましいと言われていた。

私も、母は好きだ。

「ねむ…。」

立ち上がってふらつく足取りでベッドへ倒れ込む。

明日学校なのに、準備をせずそのまま寝てしまった。