純粋に君を想っていたくて。

何の曇りもなく、君に好きを向けていたくて。

だって美生は、今まで生きてきて初めて好きになった人。

だから、ちゃんと謎を解いて、芽生えてしまったこの気持ちを払拭したかった。

疑いの目で君を見ることが嫌だった。



なのに、ほんの少しの勇気が出ないのはなんでだろう。

あの写真は何、って聞いて、そしたら君は笑ってそれを説明するんだ。

見たの?なんて言いながら。



たったそれだけのこと。

それだけのことなのに、怖くて。



俺は全てから目を背けることしか出来なかった。





──だから、バチが当たったんだと思う。



「土曜日に……大阪に帰るね」



自室の部屋を掃除していた昼下がり、ドア越しに消え入りそうな声が聞こえてきた。