目が覚めてから2週間。


様子見って事で、学校を休んだ。


2週間も休む必要無いと思ったんだけど、お兄ちゃんが出してくれなかった。


学校は来週テストだって言うのに……


やる事のなかった私は、ダラけてた。


テレビ見て、家事をやって、ゴロゴロ


お兄ちゃんが仕事から帰って来ると


「なぁ、柚葉。」


「なに?」


少し真剣な表情のお兄ちゃん。


「玲央に会いたいか?」


何事かと思えばそんな質問をして来た。


「会いたい」


だって玲央は"まだ"彼氏だし。


それに最近になって分かった事。


それは玲央に前、
「お前が居ないとダメ生きていけない」
的な事を言われた事がある。


その時は、大袈裟だと聞き流して居たけど今なら玲央の気持ちがよく分かる。


私も、玲央が居ないと無理だ。


玲央は私の本当の彼氏ではないし、彼氏だとしても大袈裟かも知れない。

でも、私は玲央が隣に居ないと無理。


この2週間で分かったんだ。


多分、自分で思っていた以上に玲央という存在が私の中で大きかったんだ。


玲央がいないこの2週間は、なんだか落ち着かない。


「もう約束は過ぎたしな……」


聞き取れなかったけど、お兄ちゃんがボソッと何かを言った。


「えっ?ゴメンもう一回言って。」


「いや、何でもない。こっちの話だ。」


「そ……」


今度は慌てだしたお兄ちゃん。


変なお兄ちゃん。


「今から彼奴らんとこ行くか?」


時計を見れば、19時を回ったところ。


「さすがに遅いよ。」


と言えば


「不良の活動時間は今からだよ」


なんて理解し難い事を言い出した。


「じゃあ行く。」


元暴走族らしいお兄ちゃんが言うなら、そうなのかも。


「送ってく。」


「ありがと。」


車のキーを持って、家を出る。


「………」


よくよく考えたら、今から倉庫行くんだよね?


恭介居るよね。


少し行きづらいかも……


玄関で考えていると


「恭介十分反省している。
だから大丈夫だ。」


「うん……」


私の頭に手を置いて、そう言ってくれるお兄ちゃん。


お兄ちゃんの言葉は、不思議と私を安心させてくれる。


ありがと、お兄ちゃん。



マンションを出て、お兄ちゃんの車に乗り込み倉庫に行く。



相変わらず沢山のバイクが止まる
2週間ぶりの倉庫は、懐かしく感じられた。



ここまで来たんだ。


私は逃げない。


玲央、覚悟を決めるよ。



決意した私は、倉庫に足を運んだ。