柚葉side


最近、おかしい。


玲央の仕草一つ一つに胸が高鳴ったり

気付いたら玲央の事を目で追い掛けていたり

玲央を見て騒ぐ女子を見ると胸がモヤモヤしたり


とにかくおかしい。


玲央の事をまともに見れない。


前までは感じる事のなかった気持ちに戸惑っている。


だから、倉庫で玲央が電話をしに幹部室を出た隙に恭介に相談することにした。


「ねぇ、恭介。」


もちろん薫と優もいるけど、ここは物知りそうな恭介に相談。


「なに?柚葉ちゃん」


「最近さ、おかしいの」


「何が?」


主語がない私に、聞き返す恭介。


そしておかしいと言った私に反応する薫と優。


「心臓がドキドキするの」


私がそう言えば


「心臓動いてなかったら死んでるよ?」


最もな事を優に返された。


でも、恭介には私の言いたい事が分かったらしく


「それは玲央にだよね?」


「うん」


「どういう時にドキドキするの?」


「玲央と居るとき」


玲央が近くに居るだけでドキドキと心臓がうるさい。


「おかしいのはそれだけ?」


「後は、女子に騒がれてる玲央を見るとなんかこう……モヤモヤしたり?」


取り敢えず嫌だ。

胸にモヤモヤした塊があるみたいに

上手く表現出来ないけど。


「やっとか……」

「遅いよ柚ちゃん」

「ここまで来るまで長かったな…」


恭介、薫、優によく分からない事を言われた。


「柚葉ちゃんそれはね」


「うん……」


あ、なんか恭介が病院の先生に見えてきた


「玲央の事が好きなんだよ」


「はっ?」


思いもよらない答えに、間抜けな声が漏れる。


好き


私が玲央を?


「すき?」


「柚葉ちゃんが玲央を」


「私が玲央を……」


「玲央に恋してるんだよ」


「玲央に恋……」


最早、おうむ返し状態の私。


頭が混乱している。