これは高校に入った四月の終わりのこと。

俺がここに引っ越してきて、二ヶ月も経たない頃のこと。

「一ヶ月経ったし、学校にも少しずつ慣れたということで、これから各委員会とクラスの係を決めたいと思います」

教卓の後ろに立った委員長がハキハキと話しだす。それを静かに聞いている奴は三分の一、喋りながらも聞いている奴三分の一、残りは聞く気もなく携帯を弄ったり漫画を読んだりしている。

俺もその一人。

「そーなんだ、知らなかった」

隣の奴等もその内の三人。

「結構有名じゃん? ね、祐一くん」

「まあ結構最近出来たし。今度行かない?」