「――こんな所に呼び出して、何かようだ?」


「二人っきりでぇ、話…したくてぇ」


机の中に入ってた手紙


他の女だった行く気はなかった


だが、目の前の相手を無視する訳にはいかない


仮にも"姫"なんだから


「倉庫でも空き教室でもできるだろうが」


「でもぉ…来てくれたじゃない。 まどか嬉しぃ」


……吐き気がする


これの中に腐った本性が隠されてんだからな


それに狭い器具室に埃っぽさとまどかの香水の匂いが充満して息苦しい


換気なんて窓ガラスがないからできない


しかも薄暗い


いつまでも使わずに置いとくんなら破棄しろよ


「……いつまで猫被ってんだ。 本性みせろ」


低い声で言葉を発するとまどかの笑みがスッと消える


「……そう言えば、気付かれてたんだ」


大袈裟な溜め息をついて棚らしき所に座った


足を組んでチラリと上目使いをしているが何も感じなかった