side 山添最愛





「儂はこの山の神じゃ。そなた達が望むなら、儂の力で御主達を人間にしてやることもできる。」





カミリさんがそう言ったのは、事件から数日が経った明くる日のこと。





あの日はあのあと。



みんなのおかげもあって、中本さんの部下を無事引き止めることが出来た。





肋骨を骨折してた中本さんは、当然のごとく病院行き。



つい先週、病院側と絶対安静を約束に、半ば無理矢理退院したとの話を聞いた。








十二月二十四日。



あの大きな騒動から、早くも二ヶ月以上が経過した。





村はすっかり冷え込み、熊のマンタも冬眠についた。



冬眠する姿を見て、やっぱりマンタも熊なんだと実感したっていうのは内緒。





他の動物達も結構な数が冬眠してしまい、冬の山は静かだった。