俺は家に帰宅すると、違和感に気づいた。

「あれ」

家の電気はついていない。

いつもなら、リビングはついているはずだ。

「まさか…」

寝室に入ると、最悪な事態が起こっていた。


「おいっ!そら!お前、あゆみをどこにやったんだよ!!」

「…お前今、何時だと思ってんの…?」

「しらねぇよ!そんなん!!あゆみがいねぇんだ!」

「…は?」

「家にいないんだよ!!」


そらの家のドアを必死に叩いていたせいか、
手が赤くなっていた。

だけどそんな事を気にしている場合じゃない。


「…嘘だろ」

「お前何かしたんだろ!あゆみは俺にとって、どれだけ必要だったか知ってんのかよ!」

そらは何も言わないまま、地べたに膝をついていた。

「おいっ。そら!」