☆☆☆





「アハハハハハハハハッ!」

〈アユ、笑わないでよぉ〉

「ごめんごめん。だって面白くてさ」

〈こっちは最悪だよ…〉



次の日。

私はアユに昨日歩道橋で出会った男の子との会話をアユに話した。

王子様…なんて思ったけど、全然王子様じゃないよ。

あんな毒舌野郎…。

すごくかっこいい笑顔なのに。

人は外見で判断してはいけない。

今更だけど、私はソレを学んだよ。




「あたしも会いたいなぁ。
どこの学校?」

〈どこだろ…?
見たことない学校だったよ〉

「んー…じゃあお兄ちゃんに帰り会いに行かない?」

〈アックンに?〉




アユには近くの進学校の男子校に通う、双子のお兄さんがいる。

真島歩生(まじま・あゆむ)さん。

アユと同じ幼馴染なので、アックンと呼んでいる。

2人は本当に似ていて、見分けが付かない。

今だご両親も間違えるんだって。