名前で呼んでくれた美麗。

学校の女どもに名前を呼ばれたらうぜぇって思うのに美麗に名前を呼ばれたときはうかつにもニヤついてしまった。

「あっ、そういえば!私ピアス買いにきたんだったよ!」

慌てたようにいう美麗を見てふっと笑ってしまった。

女に可愛いなんて抱く感情なんて今までなかったのに美麗は他の奴とは違って見える俺。純粋なのか天然なのか……でも、顔なんかで人を決めない奴だとは分かった。

「私、この銀のにしよーっと!」

美麗が選んだピアスは銀色の十字架がモチーフで真ん中にダイヤが埋め込まれてる物だった。

美麗らしいピアスだと俺は思う。
でも、値札が見えたときに見た金額は高校生じゃ普通、簡単に買えない金額だった。

「お前、それ値段高くね?」