☆澪鵺side☆




俺はあの時と同じ、月明かりの下、同じ場所で、1人、立ち尽くしていた。

見つめる場所は、レンナの死んでいた地面。



俺とレンナは、血の繋がった、双子だった。

しかし俺らは、愛し合っていた。

・・・心の底から。







俺ら双子は幼くして両親を事故で失った。

その後俺らを引き取ったのは、遠い親戚の夫婦。

最初は優しく俺らを迎えてくれた。



しかし、いつからだろう。

俺らの存在を、消すようになったのは。

いつも用意してくれたご飯はない。

お風呂も入る前に栓が抜かれている。

俺らの洋服などを洗ってくれない。

話しかけても無視する。

ご飯を用意したとしても、食べられないようなモノばかり。

腐っていたり、人間が食べるようなモノではなかったり。



親戚はいつしか、俺らの育児を放棄し始めたんだ。

俺は親戚の叔父さんが持っていた本から、育児放棄という言葉を知った。

俺らは夜中、親戚の家を、出た。