冬休みに突入したと思ったら、あっという間に年を越した。
テレビの合図で年越しのカウントダウンを父と母と行い、0時ぴったりにスマホが鳴ったと思ったらしばらく止まなくて、かなり驚いた。


仲良くしている三人からの「明けましておめでとう」と「受験頑張ろう」のメッセージ。
それだけかと思えば、連絡先を交換していたクラスメイト数人からもメッセージが届き、私はまた生まれて初めての体験をすることができた。


今までこんな、年越しの瞬間にメッセージがたくさん届いたことなんてなかったから。
目に涙が溜まる感覚がしたのだが、父と母に泣くところを見られたくなくて、それは頑張って我慢して返信した。


次の日の元旦には四人で、学問の神様が祀られているという有名な神社に初詣に向った。



「あけおめー!」

「ことよろー!」



待ち合わせ場所にしていた三人の住むマンションの下。既に三人が私のことを待っていたのが遠目から見えて駆け寄ると、手をあげてそれぞれが応えてくれた。


威勢のいい沙月ちゃんと高橋くんに圧倒されながらも笑って「よろしくね」と返事をすると、結城くんもふたりのテンションには呆れたように笑っていた。



「じゃあみんな行くわよ」



高橋くんのお母さんが車を目の前までまわしてくれて、送って行ってくれると言うのでお礼を述べると乗り込んだ。


しばらく車の中でトランプなどをして過ごすと二十分ほどで到着した。
近くのパーキングに車を停めると歩いて神社のほうへ歩く。


こうして新年の始まりに、大好きなみんなと初詣に出かけられるなんて……幸せだ。


見えてきた鳥居を一揖してくぐり、進むと、さすが元旦といったところか、人の多さに圧倒される。