【碧依side】



久しぶりの空港から見る景色。


やっと帰って来た。


俺にとっての地元のアメリカ。



ちょうどクリスマス時期だから、街中は赤い装飾で彩られて派手になってる。


懐かしいー………。


日本の家よりも少し大きいアメリカの家に帰ると、すでに父親と母親はくつろいでた。


「碧依〜!やっと着いたのね。おかえりなさい」

「ん……」

「今晩、家族で食事に行こうと思うんだけど碧依も行くでしょう?」

「行かない。リューシンんちに行く」


リューシンってゆうのは、俺がアメリカに住んでた時の一番の親友。


今だによくメールの交換はする。


着いて早々、リューシンんちに行く準備を進める俺に父さんが一言。


「ほっとけ。いいか?碧依。今は自由になんでもすればいい。ただ、お前はこの先医者を継ぎ、園寺家の娘さんと結婚するんだ」


園寺家の娘はあのユリア。


もう、ヤダ。


羽珠に悲しい思いさせたくないもん。



結局、家では何も話さないでキャリーをゴロゴロ引いて家を出た。


あんな窮屈な家にいるより、リューシンんちに行ってた方がよっぽど楽しい。