「と、そういうことがありました」

「え、ちょっと待って彩花ちゃん……わたし、その展開についていけないよ」

「うん、私も」

「の割にはすごい冷静だね……」

 朝起こった出来事を同じクラスにいる親友、赤穂時音(あかほときね)に話したのは弁当時間のことだった。

「仮、だけどね」

「仮って……でも!」

 サンドイッチを次から次に口へ含む私とは違い、時音は心配そうに私を見る。彼女はなぜか、私を犯罪者のような目で見てくる……ちょっと……。

「や、やめてくれない? その目」

「え、だ、だって!」