ケータイ小説 野いちご

生贄七人、ながし雛

3月4日

 何だか様子がおかしいな、と私が思ったのは約束の時間を過ぎてからだった。

 昨日の夜比奈子にメールして返事がなかったのは、しかたない。だけど、約束の時間を過ぎても家に来ないなんてちょっとおかしい。

「お母さん、比奈子まだ来てないよね?」

 日当たりのいいリビングでは、お母さんがちょうど紅茶をいれたところだった。「マノン」の袋がテーブルにあるということは、ケーキを買ってきてくれたみたいだ。

「あら、まだ連絡ないの?」

「うん、昨日からメールしても返事ないし、具合悪いのかな」

 今日は、一緒にお昼ご飯を食べる約束だったのに、時間を過ぎても来ないだけじゃなくて連絡もないのはちょっとおかしい。

 比奈子が来るから、お母さんもケーキを買ってきてくれたのに。

 携帯じゃなくて、家の方に電話した方がいいのかも?

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