「 いや •• っ!!!! 」


 ハッと目を見開いた 。
 どくどくと脈打つ心臓 。
 じっとりと汗ばむ身体 。

 目を閉じれば 、さっきまで見ていた
 悪夢をありありと思い出す 。



 初めて悪夢を見たあの日から 、
 毎日うなされる様になったのだ 。

 数えて今日で3日め 。


 置き時計に目を遣れば朝の5時を
 さしていた 。起きるのはまだ先だ 。

 ベッドから抜け出せば 、
 音を立てないようにリビングに向かった 。

 美弦ちゃん達はまだ寝ている時間 。

 二度寝をしようと思ったけれど 、
 眠れそうにもなかったからそのまま
 学校の準備をした 。


 朝から憂鬱だ 。


 冷蔵庫から小さな紙パックの
 りんごジュースを持ち出して 、
 小声でいってきまーすとだけ
 言ったら玄関をゆっくり開けた 。



 「 •• まぶし 、」


 きらりと太陽が町を照らしてゆく 。


 まだ6時過ぎで少し涼しい通学路を
 今日は重い足取りで歩いた 。