「紗弥 !?すごい顔!」


「あぁ?」


「うわあ、怖い!」


同期の吉川麗がギョッと飛び上がった。


「えっ、なに? 紗弥どうしたの?」


「……一紗に振られた」


「えぇぇっ !?年下彼氏くん !?」


一紗を年下彼氏くんと呼ぶ麗には年上の彼氏がいる。


年上彼氏さん。



「……なんかぁ、好きな人がぁ、できたんだってぇ」


「もうやだ、なにそのキャラめんどくさいよ!」


自分でも嫌になるよ。


「…………いいもん」


自分のデスクにあるクッションを抱き締め、唇を尖らせる。


「ちょっ、ヤメロ、年齢的に無理ある」


「……麗ぁ、今日ぉ、暇だよねぇ?」


「…付き合いますぅ」