「これで、いいよね…変じゃないよね」
鏡の前でクルリと回り、全身を最終チェック。
真新しい、デニムのワンピース。
彼のいい反応を期待して麦わら帽子を被り、着替えていた寝室を出る。
彼が待つリビングのドアを開けてみれば、退屈そうな彼がソファに寝転んでいた。
「一紗」
彼は奈良原一紗。
付き合ってもうすぐ一年になる彼氏。
「………………………」
私の呼び掛けに、無言でスッと顔をあげた彼は立ち上がり、私の前に立つ。
「やっぱり似合う」
首を傾げて笑う一紗。
「俺の見立ては完璧だったね」
このナルシストめ。
「すごくかわいいよ」
きっと、私の顔は今真っ赤に違いない。
悔しい。